堀内夜あけの会「恐怖 タコ公園のタコ女」感想レポ

【日時】2014年5月3日(土)〜5月4日(日)
【場所】下北沢 本多劇場
【作】堀内健 村上大樹
【演出】徳尾浩司
【テーマ曲】城田優
【出演者】池岡亮介出川哲朗堀内健伊藤修子、小村裕次郎三宅ひとみ、けいたまん、吉田幸市、THE石原 

  • 参考URL

公演概要
http://www.watanabepro.co.jp/information/tacoonna.html
池岡さんブログ
http://ameblo.jp/ryosuke-ikeoka-we/entry-11840561116.html
http://ameblo.jp/ryosuke-ikeoka-we/entry-11842067856.html

  • 観劇日時

5/3 19:00〜の回(下手側3列目のセット目の前・神席…!)
5/4 13:00〜の回(上手側6列目でこちらも近かったです)

以下、ネタバレ全開ですのでご了承をお願いします。

  • 全体の感想

出演情報発表の際「池岡さんがホリケンさんの舞台に!」と気色ばんでみたはいいものの、公演名も意味不明(失礼)だし、事前のプロモーションを見ても全くイメージが湧きませんでしたw
上映直前まで「どんな仕掛けが来るの?コメディなの?ホラーなの?そもそもストーリー自体ちゃんとあるの??」…と、かなり懐疑的に構えていたのですが、幕開け数分でそんな心配は消えました。
斬新でシュールで癖があり、メッセージ性が無いようである、あるようで無い、頭を空っぽにして楽しめる作品、と言えます。
お腹を抱えて笑いながら入り込むといつの間にかゾワゾワと幻想的な世界に引き込まれて、一気に駆け抜ける感じです。
コントあり、ほのぼのシーンあり、アクション?あり、突然のミュージカルあり…。
でも、やっぱりこの舞台を一言で表現することはできません。
作者のホリケンさんいわく「ヒューマンドキュメンタリードラマであることは間違いない」…とのことです。

奇想天外なストーリーながら、最後に向けてちゃんと…何となくまとまります。
ラストはなぜか壮大なミュージカル仕立てで、みんな仲良し・青春映画のオマージュのような風情も醸して。
そこで流れる曲はとても耳に残って、一緒に口ずさみたくなります。
いや、むしろ歌詞の幟り旗を持った黒子がおもむろに現れ「みんなで一緒に盛り上がろう!」とかフリップが出て観客一同苦笑。
「もし君がいつか海で捕まってくじけそうになったら、きっと助けるよそして離さない、ただ泣きながら食べるだけ…ララララ…」
…で、ふんわりカタルシスで終了かと思いきや、そこからまさかのオチになるわけです。
「えっ、ボンヤリだけどこの演劇のメッセージそこはかとなく感じ取れたのにそんなオチ!?」みたいな。笑

公演時間としてはおおむね100分程度で、役者陣の瑞々しさ・芸人陣の安定感・ハチャメチャな疾走感が相まって全く飽きないです。
3公演だけで千秋楽なんてもったいなさすぎる(会場キャパも補助席入れて400人弱くらい)なので、ぜひ映像化して販売してほしいな…。
なお、会場内で「DVD収録のカメラが入る」旨の告知があったので期待を胸にスタッフさんに聞いてみたところ「現時点ではDVD化は未定」…とのことです。
…署名活動するなら参加しますよ?(チラッチラッ

  • 池岡亮介さん定点カメラによるレポ(※いつもながら「池岡さん可愛い」フィルターかかってます)

▼全体
・ストーリー上は実質主演!ほとんど舞台上にいて、袖に引っ込む時間はわずか。いろいろなことをやり(やらされ?)ファンにとっては美味しい事この上ない役どころだった。
・歌は歌うわ、顔芸ハンパないわ、お笑い大御所のコントに普通に付いてくわ、ぶりっこ芝居やるわ、オチ持ってくわ…。最高です。ごちそうさまです。
・他のベテランキャスト陣が固めた個性的すぎる外堀に自然に嵌まり込めているのは純粋に感心。
・いつものことだけど、目も手も脚も髪も所作も凜として美しかった…。
・そして多分、少し痩せたのと顔の造りが大人びたせいで、ずいぶん精悍な印象になってた。基本的には可愛いんだけども。仕草の端々が男らしくてドキドキするよ!
・ホリケンさんや出川さんがコント中、待機しながら時々ちょっと素で笑っちゃってるの可愛すぎる。
・終始、イキイキと楽しそうに演じていて、つられてずっとこっちも笑顔だった。池岡さんが楽しそうだと私それだけで嬉しくて泣きそう。
・というか、池岡さんがこの大舞台に挑み、堂々と演技し、オーディエンスの心を掴んでいる事実が尊すぎて泣きそう。お客さんが爆笑するシーンたくさんあった。
▼役
・演じる役のシゲルは見た目に反して実は結構なワルw
・ホリケンさんの導入ナレーションが終わった後、ストーリーに入ると真っ先にギターを抱えて登場。以後、ストーリーテラー兼当事者として舞台を回していく。
・第一印象はミュージシャンを目指す好青年なんだけど、実はシャブやってたり、危険からは逃げを決め込んだり、ワガママだったり、裏切ったりする。
・徐々にキャラクターが明らかになる段階での表現がすごく楽しかった。薬キメちゃって白目向いてる演技なんて正直気持ち悪くて引きかけたもんな…(※愛ゆえの表現)(※それでも愛せる)
・衣装は今までにない感じで、キラキラのミュージシャン風…沢田研二風?(←たぶん違う)グレーとシルバーのスパンコール風ひらひらトップスに白いジャケットを合わせて、デニムジーンズで締めていた。指にも極太のシルバー指輪?リボン?をつけててすごく気になる。ウエストから脚にかけてのラインが細すぎて、「ああ、あの服の下にはソロバン腹筋とマーメイド美脚が(毎回言っていることなので割愛)」。
▼歌
・冒頭数分で問題の「タコ女」が現れ、あれよあれよと言う間に無数の赤い全身タイツの女性芸人さんたちが舞台で踊りだす…そこで池岡さんがおもむろにマイクを取り出してソロ生歌披露!
・この、ベース主体で格好いいロック調の曲がオープニングテーマになるわけだけど、持ち味の低音ボイスを存分に生かしたケレン味たっぷりの歌唱は惚れる。更に磨きのかかった海堂声に感激する。何だかんだ、池岡さんのソロ歌唱をあんなに長時間聞けたのはテニミュ以来だと思うので。
▼演技
・去年から色んな現場を経験して、映像の仕事もこなして、役者としてステップアップしているのだと実感。
・独白や場面つなぎ等、登場人物の中ではずば抜けて長台詞多いけど、全く噛まないし安心して見てられる…。ホリケンさんや出川さんはむしろ噛んだことすら笑いにつなげてしまうけど、池岡さんにそのスキルは多分ないし同じことは許されないんだろうな、と思ったり。
・顔芸の幅の広さと切り替えの良さに拍車がかかっている気がする。均整のとれた作り笑顔(※愛ゆえの表現)は掛け値なしにカワイイし、中トロ食べたらアラ美味しい!の表現とかまじ女子だし、楽しいシーンでは垂れたおめめがキラキラしているし、そうかと思えば恐怖におののく表情は顔の筋肉どんだけ動かしてるの?ってくらいだし、ポセイドンを一撃で仕留めた時の凶悪な爬虫類顔はそれだけで人を殺せそう。何を言ってるのかわからないと思うけどそういうシーンがあるんだ。
▼印象に残ったシーンなど
・「ここは俺の見せ場だ!吹けよ風!轟け嵐!うなれ海峡ォオ!(うろ覚え)」と雷のBGMを背にカニの爪を振り上げて敵に立ち向かうシーンの迫力はすさまじかった。何を言っているのかわからないと思うけど本当にそういうシーンがあるんだ。
・ヒロインの三宅さんとじゃれ合うシーンがもうアイドルDVD映像みたいでくぎ付け。可愛すぎて禿げるってこういう感覚か。「俺の頭に浮かんだ優しいメロディ、それは限りなくスピッツに似た音楽」をBGMに、「海岸ではしゃぐカップごっこ」とか「テーブルクロス引き(華麗に失敗しても超いい笑顔☆)」とか「パントマイム」とか「だーれだ」とかやってるのがお花を散らしたいくらい可愛い。しばらくいちゃついた後に「ねえ、ところでシゲルさんってシャブやってたって本当?」→「!!!(無言で皿をパリーンと落とす)」の落差に爆笑。
・数瞬だけかける大きめのサングラス姿が新鮮な可愛さ。
・「…てへっ☆」のベロ出しはこの世のものとは思えない可愛さ
・「ジュテーム(呪帝夢)」の投げキッスは太陽系一の可愛さ。
・ヒロインとキス寸止めのシーンが2回ほどあって感無量だよ…。
・まさか池岡さんの口から「ブラ紐」「女体盛り」という言葉が滑り出る日が来るとは。しかしいやらしくない。
・池岡「タコ美ちゃん…!俺、君に喜んでほしくて、あいつら(舎弟)に必死で三日三晩絵を描かせたよ!」三宅「まあ!その間シゲルさんは何やってたの?」池岡「寝ずにスマホいじったり、ピザを頼んだり、必死になってテレビを見てた…!」三宅「テレビ見てたの…!それは大変だったわね…!」
・小村「お前、今はシャブやってないんだよな?」池岡「はい!……!……やっ、て………ないです…………」小村「…それは『何とか』『がんばって』信じていいんだな!?」
・「俺の音楽の才能はなかなかのものだった…。アマチュアでもなく、セミプロでもなく、プロ中のプロ、シルクドゥソレイユレベル。シルクドゥソレイユを知らない人のために言うと、ジブリレベルまであと一歩。そんなシルクドゥソレイユ&ジブリ略してS&Gを求め、俺は今日も公園で愛し合う男女を覗き見する!S&G!S&G!」
・堀内「お前男にも好かれそうだもんな!」池岡「ハイ!(良い笑顔)」えっ。
・「まるで城田優が作ったみたいなこんな曲が頭に浮かぶんだ…!」何とメタ的な。

  • 出演者個々に一言ずつ。出演者の皆さんすべてが個性的でいい味出してた!

堀内健さん
・秘密を抱えたホームレス。どちらかというと主演というよりはトリックスター的な役割。
・さすが、当代きってのお笑い芸人!舞台に登場するだけ、話すだけで笑いが取れるってすごいと思います。これがホリケンの世界か…。
・冴えないホームレス姿も、牧師姿でエセ宣誓をしても、殺し屋アンコールワットを演じても、突如カニ背負って出てきても、何をしてても客席はドッカンドッカンでした。
・冒頭ストーリーテリングはうろ覚えですが「色んな方から心配されました。『いったいどんな芝居なのか?面白いのか?』と。面白いのか面白くないのかは、皆さんに判断していただきたい。ただしこの物語は、ヒューマンドキュメンタリードラマであることは間違いない。…ヒューマンドキュメンタリードラマ。良い響きですね。言ってしまったからには仕方ない。でもこれだけは言えます。私はあの夏、セミがミンミンミンミンミンミンミンミン鳴くタコ公園で、恐ろしいタコ女を見たのです!」「なお、上演が始まりましたら、携帯電話のご使用、おしゃべり、爪を噛んでペッ、前の席の方のつむじを凝視、腕の毛を抜いて座席にくっつける、等の行為はどうぞおやめください。」こんな感じでした。
出川哲郎さん
・カフェの店長さん。出川さん自身が素で演じている部分が多くて、いじられキャラの極致って感じでした。
・基本的に情けなくてヘタレな紳士だけど、キレのいいツッコミもこなす。もちろんリアクション芸は達人の域!
・終演後挨拶でも言っていたけど、初日の途中で声がつぶれてしまって、その後ずっとガラガラ声だったけど大丈夫だったかな…。
・あと、まさかの濡れ場()があったのでPG-12くらいにしといた方がよかったのでは(真顔)
吉田幸市さん、けいたまんさん、THE石原さん
・訳あってシゲルの周りを常にふらつく舎弟たち。随所で織りなすコントのキレがさすがでした。
・ホリケンさんの無茶振りによるジェスチャークイズのくだりは毎回お腹がよじれるほど笑った!
ソクラテス」「アリストテレス」のジェスチャーとか難しすぎるし、もはやお題ですらない謎イラストをそれでも食らいついて表現する吉田さんのお笑い魂に惚れました。
・全身タイツとかノリツッコミとか、吉本風のお笑いの要素って生で観るとあんなに笑えるものなんだな。
伊藤修子さん
・物語中盤から登場ですが、放ち続ける不気味かつコミカルな存在感がたまりません。
・一挙手一投足が面白い上に、台詞がすごく聞き取りやすくて、まさに舞台畑の方だなと思いました。
▼小村裕次郎さん
・ダンディな常連客。主人公のよき理解者かと思いきや、かなりの曲者ぶりを発揮。
・声がヴィンテージにイケメてた。
「7番ゲート封鎖できませーーーーん!!!」
三宅ひとみさん
・シゲルが恋するヒロイン。「タコのように美しいと書いて、タコ美です!」。
・気立てがよく親思いで、でも実はある秘密を握っている重要なキャラクター。
・アイドリング!!の現メンバーさんだそうで、まさに舞台の華!制服姿がまぶしかった。
・魅力的だけど時にサディスティックで捉えどころのない、重要な役どころを見事に演じていました。
ヤンデレちっくな「ねえ、キスして?」のセリフは思わずドキッとしました。

  • その他もろもろ。

・楽曲提供している城田優さんが初日に見えていました。
・芸能人の目撃情報は多数で、聞いている限りだと、ネプチューンのお2人(私も見かけました)、キャイ〜ン、我が家、狩野英孝松村邦洋、ずん、等お笑い界の有名人がたくさんいらしてたそうです。
・ロビーの祝い花も錚々たるメンバーからのもので所狭しと溢れかえってた。和田アキ子ウッチャンナンチャンはじめ、差出人に知らない名前がないほどでした。
若手俳優だとほかに、同じD-Boys前山剛久君とか、柳浩太郎君などが来ていたようです。
・今回もお手紙とお花を贈らせていただきました。いつも元気をもらっているお礼…に、なれば良いんだけど。基本的にチキンなので、却って厚かましくて迷惑だったらどうしようとか考えて毎回ガタガタブルブルしている。
・とりあえず次回までにボールペン習字を習っておこうと決意した。
・1回目と2回目の間に、知らず知らずの間に下北沢で海鮮丼食べてて、サブリミナル効果ってあるんだなって思いました。
・池岡さんが心の底から可愛くて、今回も寿命が延びました。ありがとう、池岡さん。