舞台『TRUMP』を観てきたよ!(2013/1/23、1/29 @池袋サンシャイン劇場)

  • 『TRUMP』について

ヴァンパイアをモチーフにしたファンタジックな世界で、美しき吸血種(ヴァンプ)たちの学園で起きる出来事を描いていく。演じるのは映像や舞台で活躍する若手俳優集団「D2」のメンバーたち。

『TRUMP』公式HPがこちら http://www.dstage.jp/trump/top.html
プロモーション映像がこちら http://youtu.be/LQXXMpCiQsc
D2とは http://www.d2boys.com/index.php

特徴的なのが「リバースキャスト」システム。公式HPによると「劇中に登場する親友やライバルや同僚など、対の立場となるふたつの配役を、二人一組の役者が交互に演じる『TRUMP』独自のキャスティングシステム」…とのこと。
たとえば池岡亮介君と土屋シオン君の組なら「ピエトロ」と「バンリ」という2役を演じる。1回の舞台で2役、ではなくて、1日目(TRUTHバージョン)は池岡ピエトロ・土屋バンリ、2日目(REVERSEバージョン)は土屋ピエトロ・池岡バンリ、というふうに。
舞台詳しくないけど、確かに珍しい手法な気はするなぁ。役者の負担も大きそうだ。

  • 全体的通した感想

正直なところ、最初はほとんど期待してなかった。「D2」という若手俳優集団はテニミュや特撮に出ている役者さんも多いし、何より大好きな池岡さんが出演するから、一度にたくさんイケメンが見られてラッキー、仮にアイドル舞台の延長でも文句はないな、という程度の気持ち。
ソロではドラマや舞台でキャリアを積んでいる人も多いのだけど、D2としての作品というと2011年の映画「ポールダンシングボーイ☆ず」か、放送中のバラエティ「TV・局中法度!」を比較材料にするしかないわけで、その内容は正直「うーむ、みんなかわいいけど、イケメンお披露目会っぽい?」というものだったので。*1
などと軽く考えつつ、新幹線に乗って観に行った。TRUTHとREVERSE両方見た。
……面白かった!!
内容はストーリーありダンスあり殺陣あり一発芸ありギャグありシリアスあり。
最初はコメディ要素が強いんだけど、あるシーンをきっかけに急転直下して最終的には狂気と悲哀のバッドエンド。白紙の未来を黒く塗り(ry
それまでさりげなく張られてた伏線が一気に回収されるのが気持ちいい。照明、音楽も繊細で良かった。
メインキャストは役作りにもがく様子がブログでも報告されてたけど、特に陳内将くんと山田裕貴くんの鬼気迫る演技すごかったな。この2人もTRUTHとREVERSEで役を入れ替えるんだけど、どっちがどっちを演じているのかわからないくらい役に入り込んでいて、なぜか声までそっくり。演技の熱量が同じというのかな。怖いくらいの狂気だったのだ。
(で、私みたいなのは、エンターさんとギブケンがあああ!うあああ!ってなるのだ。)
話自体はわかりやすくて、提示された謎も途中で察しがつくものが多いけど、全部見終わるとまた別の疑問が湧いてきて最初から振り返りたくなる。あと、TRUTHとREVERSEのキャスト入替えに伴って、微妙にキャラの作り方やセリフの言い回しが違っていたりするので、そういう意味でも複数回観劇に向いてる。意味深めいたセリフの中には回収されないものもあったりするので、裏設定を妄想して楽しむ層が喜ぶっちゅー話。
ただ、何せ16人が一斉に動作するシーンが多いので、慢性的に目が足りない状態になる。推しメンに注目してると大事な要素見逃したりして、ちょっともったいないかも。
D2メンバーとすると「全くD2のことを知らない人にも訴えかける舞台」を目指したかっただろうから、そういう面では大成功だと思う。知らない人にもストーリーと演出で魅せて、知っている人にはたまらない小ネタでくすぐる(ジョジョネタとか中二病ネタとかモノマネとかなぜか一斉海パンとか「荒井敦史のギャグ100連発!」みたいな閑話が唐突に挟まる)。
演技はまだ粗いけどフレッシュと言える範囲内だし、我々オタクとしてはチームの絆や感情の起伏も観に来ているわけなのでその辺はばっちり。
幕後も拍手が鳴りやまず(初演は特に)、余韻を甘くひきずる公演であったのでした。

  • 個別にぱらぱら。

・演出家に「そっちの道でも十分成功できる」と言わしめる近江陽ちゃんの女装すごい。身長180cmだけど。でかい貴婦人だけど。
・三津谷とゆっきーが演じるウルがボロボロになっていく様にこっちの胸まで痛くなる。
・上鶴さんはどこに行っても何をしてても上鶴さんなんだなあと。
・阿久津。ブログは毎日チェックして「あくつww」ってなってたけど、こんな存在感のある役者だったとは知らなんだ。ただのオタクじゃなくて鬼才なオタクだったのだな…正直すまんかった。
・29日の終演後のアフタートークショーには池岡さん、志尊、賢貴さんが登場。先輩ゲストとして柳下大くん。「ダブル海堂!2大美脚!たまらんスマッシュ!」とか脳内で騒いだのは言うまでもない。死ぬ気で時間給取ってよかった本当によかった。
池岡亮介さんまとめ
・TRUTH公演のピエトロ役はイヤーマフのもっふもふが可愛いんだけど、いかんせんセリフの8割が「アレン!アレンどこだ!」なのでちと物足りないw 
・REVERSE公演のバンリ役は中盤以降の見せ場が多くて感情の演じ分けも必要な魅力的な役なのでこっちを推したい。池岡さんの低音ボイスや気迫やセクシーさを活かすならやっぱりバンリ役がよいなあ。
・リバースキャストの土屋シオン(フォーゼのJKだよ!)が演じるバンリとは全然違う味付け。シオンのバンリは飄々と人なつこくて人間味があるのに対して、池岡さんのバンリは妖しくて蠱惑的でえろい。ねっとりしてそうな黒髪がだんだんえろく見えてくる。ふしぎ!でもいくら何でも「宿舎に女を待たせてるんでな」って、設定年齢は思春期のはずだよね?w
・バンリは転入生として現れるのだけど、自己紹介のシーンがほとんど唯一のギャグパート。日替わりのようだ?今日は「亜麻色の髪の乙女」改め「黒色の髪のガ・バンリ」をビューティフルかつサディスティックに歌ってくれた。ざわ…ざわ…する周囲。動揺する客席。こういうときどういう顔していいかわからない私。
・声がモロにテニミュ海堂そっくりのバリトンボイスでテンションがだだ上がり!ちなみにピエトロのときは地声に近いテノールの可愛い感じ。「承知した」「参ったぜ」「だが俺には効かない」ってケレン味っぽい言い回しを低音で言うのがいちいちえろい。何回でも言うけどえろいものはえろい。池岡という人間自体にエロスがあるとメンバーも言っているよ!激しく同意するよ!
・周りと一緒に海パン一丁になるシーンがあるけど話題のソロバン腹筋ばかりに目がいって肝心の美脚を観るのを2回とも忘れるという大失態(ノД`)早期DVD化を切望。なお、ほかのシーンでは露出一切なし。
・中盤の見せ場・殺陣のシーンがかっこよすぎて!!!手足が長くて髪も長いから見映えがするし、長回しの動きも不自然なところがなくてしなやか。それまではミステリアスな「静」の部分を押し出してるからよけいに印象的。剣がラケットに見えずにちゃんと剣だったから、池岡さんの勝ちだね!ちなみにアフタートークでは、ダメ出し連発した事務所の先輩が唯一この殺陣を誉めてた。池岡さん!いずれニチアサ枠とかどうですか!Gロッソとかどうですか!!…でももし出演することになったら私平静でいられないんだろうな。うう。
・終盤のキーパーソンとの絡みは怒涛の展開。立ち向かえない相手に対して腹の底から声出して訴えていて迫力あったなあ。最終的にこの人がいちばん良心的だったことがわかるんだけど、白紙の未来は黒く塗りつぶされるのであった。
・どうでもいいけどヴァンパイアハンターってすっごく右目がうずく職業。
・さらにどうでもいいけど、モブ役として出てきたときに上鶴さんとわちゃわちゃしていたのを私は見逃さなかった<●><●>。青学2年生ズの雪融け。
・モブ役の時のオタ芸キレッキレだね。間違いなく阿久津仕込みだね。
・贔屓目もあるけど最初から最後まで緊迫感があって素晴らしかった。REVERSEではモブ役を入れると実質4役こなしているので疲れるはずだけど、2年間の舞台経験が確実に活きてる。感動をありがとう。

  • 以下補足的に池岡さん礼讃テキスト

池岡亮介ブログ http://blog.watanabepro.co.jp/ikeokaryosuke/index.html
・容姿のキーワードは「たれ目」と「美脚」。この人に出会って初めて「たれ目」の何たるかを知る。脚はもう美脚。超美脚。ウルトラ美脚。22世紀に残したい日本の光景100選。あと普段なかなか拝めないけどかわいい顔して腹筋がそろばん並に割れてる。
・出演作は、D2としての仕事のほかは「ミュージカル テニスの王子様」がほぼ唯一かと。当時17歳にして「海堂の隠れたセクシーさを表現したい」とかのたまう。顔からは想像もつかないバリトンボイス。その声どこから出てるんだ。そうかバンダナから出てるんだな。そう言ってくれないとお姉さん困惑しちゃうよ。
・気が付くとだいたいドヤ顔してる。無表情のときは狸の置物と見間違う。
・誠実で優しくて賢い。らしい。感受性豊かですぐ泣くらしいし実際に舞台でもよくもらい泣きしてるけど、地頭が良さそうだし、実は感情のコントロールに長けてると思う。人一倍頑張り屋ではあるけど、ピンと張って切れそうなゴムみたいにはこの子はたぶんならない。いつもどこかに余裕ある。そこに惹かれる。
・あれだけ容姿がいいのに(贔屓目)それを売りにはしてない感じがあるんだよなー。だってこの人が本気出したらあざとさ全開のブツが出来上がるよ?ハートのクッション抱えていないいないばぁしてる映像なんか人殺せそうだよ?もっとグイグイ来てもいいのよ。
・でもその「普通っぽさ」と、可愛さ・セクシーさのギャップがまた良い。中身は完全にオトコなのでそこも良い。それなのに女装は抵抗ない系男子。いろんな顔を持ってるので、当方とすれば「まだ違うきみがいるのか。きみは本当はどんな男の子なんだ」って定期的にタキシード仮面様にならざるを得ない。
・この人のせいで齢アラサーにして初めてタレントにファンレター書く羽目に陥った。
ハートのクッション抱えていないいないばぁ的な映像(非公式) http://youtu.be/FZVA7lAOjK0
(おわりだよ!)

*1:「局中」は番組の作りの甘さによるところが大きいと思うけど