Dステ14th「十二夜」レポ(Ver.ゆず)

観劇日時:平成25年10月4日・夜公演、10月5日・昼公演 於:新宿紀伊国屋ホール
(これから観劇:平成25年10月12日・昼/夜公演)

※ネタバレ含みます。これから観劇予定の方、DVDまで待つ方はご注意ください。

舞台概要
http://www.watanabepro.co.jp/mypage/artist/dst14_twelfth-night.html

キャストコメント動画
http://www.youtube.com/watch?v=Bz3AdSpJgTk&noredirect=1
※池岡さん可愛い。

プロモーション動画
http://www.youtube.com/watch?v=FRsNQjfozTQ 

「大評判を呼んだ『ヴェニスの商人』演出の青木豪氏を迎え、Dステが再びシェイクスピア作品をオールメイルで上演いたします!
個性豊かなキャラクター達の勘違いがスレ違いを生み、さらにそれが笑いを生み出す。
片想いの連鎖が繰り広げられる、シェイクスピアが生み出した最高のコメディです。」

…Dステと言っても、前回のシェイクスピア作品「ヴェニスの商人」のことも何も調べずに臨んだものだから、どういうテイストで料理されたものなのか想像できていませんでした。いや、きっと現代風にガラリとアレンジされているんだろうな、くらいには思ってました。
で、見終わった感想。

「こんなにちゃんとシェイクスピアなんだ( ゚д゚)」

…いや、随所に現代風なアレンジはあるし、演出家の青木さんも「サブカルでやろう」と決めていたようだし、クラシカルな印象は全然受けないんだけど、基本は原典に忠実な、ちゃんとした(?)シェイクスピア劇でした。

とりあえずあと2回観劇予定を残しているので、ざっとした感想だけ書いておきます。

  • 開演前の舞台上は必見!

何と、開演前30分くらいにわたり、稽古着姿のキャストが舞台上でわちゃわちゃパフォーマンスを繰り広げてくれます。
柔軟体操をしたり、かけっこしたり、じゃんけんしたり、グリコゲームしたり…
進行役とかいなくて、ただひたすらにフリーダムに遊んでいる姿が見られます。
で、合間に三上君の前口上(「携帯電話の電源は…」みたいなの)が入る感じ。
これDVDには収録されるのかなぁ。会場限定なら贅沢すぎる。

  • 客席降りも結構あります。

会場はそんなに広くないので、舞台も近く感じられますが、中扉から客席を通って舞台に上がる演出も多かったです。
前列の方に座った方、うらやましいぞ。

  • 予想外に原典に忠実!

観劇後に原典書籍を買って読んでみたのですが、たまたま今回の公演の訳者による翻訳版だったので、照らし合わせの作業が楽しかったです。構成、セリフ、言葉遊びに至るまで、多少の省略や言い換えはあれ、ほぼ原典どおりなのは意外でした。独白の長台詞なんかモロにそのまんま。でも、動きがコミカルだからくどくどしてない。
シェイクスピアの時代はもともとオールメイル劇だったらしいですね。芸術の秋らしく、古典に興味も出てきました。

個人的に、原典にあってびっくりしたセリフは以下のとおり。

  • 「すべてが女役を演じるイケメン俳優そのものだ。」

 (※正しくは「少年俳優」)

  • 「稽古した台詞以外は何も言えません。今のご質問は私の台本にはないのです。」

 (※メタ台詞だなあと。)

  • 「死んでたまるか、いつまでも−−」

 (※舞台ではこのあとカーチスさんが「75歳だコノヤロー!」と続ける)

  • 「しかしこいつは血液の循環を阻害しますなあ!」

 (※坪倉さんの演技本当に巧かったです。)

  • 「いかが、悪くない仕上がりでしょう?」

 (※自分の美しさを誇る池岡さん。)

  • 「私の心臓、あの人のせいでドキドキして飛び出しそう!」

 (※ここの池岡さんのドキドキ表現がすごい。)

  • 「自分のことで気が狂いそうだったものだから、あの人のことはきれいに忘れていた。」

 (※笑顔で酷いことを言う池岡さん。)

ただ、何で舞台セットが神社なのか(笑)結局最後まで理由はわかりませんでした。「お祭り」感の演出?

  • 女の子役の池岡さんと碓井君ホント可愛いよう。うええ。もだもだもだもだ_(:3 」∠)_

碓井君の女装はゴーオンジャー時代からだから年季入ってるよ…。
・池岡さんも池岡さんで「女装に抵抗ない系男子」ですから。
この女装はただただ「カワイイ」連呼するしかない。そういう楽しみ方で十分!

  • クライマックスシーンの、理性ぶっとんだどんちゃん騒ぎ感が気持ちいい。

ジェットコースターみたいにどんどんテンションが張って昇りつめていく感じがあります。
ある人物が「ネタばらし」のように登場するシーンが盛り上がりの最高潮なんだけど、同時にフッと「祭りの終わり」感が出るのが良いです。

  • キッスもあるよ!<●><●>

荒井くんと池岡さんがそりゃもう濃厚にやります。
荒井くんと池岡さんがそりゃもう濃厚にやります。
荒井くんと池岡さんがそりゃもう濃厚にやります。

あっぱれなもんです。

キスシーンは3回あって、?触れるだけの軽く1回、?音がしそうなほど濃厚で長いヤツ1回、?客席に背中を向けてしっぽりと1回。
今どきの若手俳優は女優とキスするより前に男性とキスさせられて大変ね、とは友人の弁。
私もそう思うけど、とてもとても潔かったので、素直に賞賛を送りたい。
(男性俳優同士のキスシーンについては客層含め思うところは多々ありますが今回は割愛。)

ところで、荒井くんと池岡さん両方大好きな阿久津愼太郎は息してるんだろうか、彼のことだからむしろ萌えてそうだな。と思って調べてみたら至極真っ当な感想(※)を書いていた。濁った見方をしてごめんなさいという気持ち。

(※)http://blog.watanabepro.co.jp/akutsushintaro/archives/2013/10/post_1211.html


  • −−−池岡亮介さん定点カメラによるレポ−−−
  • 池岡さん見どころ☆1

何と言っても女の子役!これまで女装は多々あれ、女性役は初めてだそうで(当然か)。
ドレスとお化粧と髪型がマッチしすぎてて怖いくらい。
ドレスは事前のビジュアルとは全然違って、全身黒レース。しかも何故か振袖風。うおお、カワイイ!
大きな赤いおリボンがミニーちゃんみたいで、おどけた感じもありつつ。
不思議と「オトコが演じるオンナ」っていう感じはあまり受けなかったです。いや、声は別としてね。
女性性を表す動きをよく研究しているな、と思いました。黒い小悪魔ちゃん!

  • 池岡さん見どころ☆2

今まで「池岡さんは低い声が魅力」と言い続けて来たわけだけど、それは実は正しくなくて、「声の幅が広いのが魅力」って言いなおすべきだなと思いました。
いくら高くしてももちろん男の声、だけど、オリヴィアの声は、今まで彼の口から聞いたことのない声でした。
とってもファンキーで、いい意味で壊れていて。
こんな声、今までどこに隠してたの???と目がテンになったりして。
まだまだ、知らない池岡さんがいるのかな?って、すっごくワクワクしましたよ!
あと、本当に一瞬だけ、男声(海堂声)が出ます。これ、必聴ですよ。

  • 池岡さん見どころ☆3

美脚がめっちゃ映えてるーーーーーーー!!!!!
足首の細さと言い、しなやかさと言い、あれは女性の脚でしたぞ???
ついこないだまでタンブリングやってて、筋肉の付き方が変わったって自分でも言ってたけど、ムキムキ感が出ないのは何でだろ。

  • 池岡さん見どころ☆4

「気位が高く徳のあるお嬢様」…なんだけど、強烈なギャグ要素を担ってて、コメディタッチな動きが多いww
動きのキレキレ感も健在。
「お伝えしてありまーす☆彡」の横ピースはただのゴスロリギャルでした。

  • 池岡さん見どころ☆5

ビックリ顔がとてもよいビックリ顔。
今後も顔芸を磨いてぜひ舞台に活かしてほしいものです。
テニミュ後の活動を見るに、彼は今後舞台中心でやっていくのかな〜。

この頃思うのですが、舞台を重ねるたびに、舞台から「池岡亮介さん」を感じなくなっていきます。
もちろんポジティブな意味で。
こちらの見方としても、テニミュ出演時代は俳優とキャラクターをついつい同一視しがちになっちゃうんですが、うまくそこから脱して、役に自分を寄せていっている感じがします。
上手に言えないですけど。
あ、もちろん今回もファンレターは悩みながら書きましたよ(´∀`*)

最後にそれぞれのキャストさんについて一言。
ついついD2贔屓してしまう私ですが、ほとんど特撮かテニミュに出ていた方たちなので、どこを切っても楽しいキャストさんでした。
客演のミッキーさん・坪倉さんはさすがとしか言えない存在感です。

碓井将大くんの、男性性と女性性の間でグラデーションみたいに揺れる不安定さは絶妙だったし、
ズッキーの天真爛漫なおバカキャラは終始笑顔にさせてくれたし、
三上真史くんは品のある喜劇俳優の雰囲気が出ていたし、
荒井敦史くんは必然的に出番が少なめですが男らしい演技で魅せるし、
みんな大好き山田悠介くんの唐突な登場シーンには客席全員で「お前誰だww」ってなったし、
加治将樹くんの女召使役は貫録と迫力と明るいイヤラシサに溢れていたし、
「我が家」の坪倉さんはとんでもないイケボで本格派の演技をしていたし、
陳内将くんの道化姿は掴みどころなく愉快でどこか寂寞感と背徳感があって、陳ちゃんの真骨頂という感じがしたし、
「騒ぎの元凶」ミッキー・カーチスさんは老獪な演技でストーリー全体を回していたし、
山口賢貴くんは黒子のように1人4役をこなしていたし(本当はもっと顔出し演技が欲しかった)、
「サンシャイン」の異名を持つ近江陽一郎くんは今回もひたすら純粋な熱い演技だったし、
何といっても池岡亮介さんが、今回もちゃんとプロ意識を持って、真面目な時もふざける時も一途なのが伝わってきたのが良かったです。

書きたいことはたくさんありますが、キリがないのでこの辺で。
残りの2回を見終わったら、もう少しまとめたいと思います。